こんにちは。デザイナー兼ディレクターの岡本です。最近は、週末に美味しいアジフライとどて焼きを求めて立ち飲み屋さんに行くことがマイブームです、、、!
さて、今回は「サステナブルWebデザイン」についてご紹介します!
ここ数年前から巷でよく耳にする「サステナブル(持続可能性)」という言葉ですが、WebデザインにおいてもサステナブルWebデザインという考え方が近年注目されています。
はじめに、サステナブルという言葉が概念として解釈されるようになったのは1987年。環境・エネルギーの問題が議論されるようになり、国連の環境と開発に関する委員会の報告書で提唱されました。
その後、2015年の国連サミットで世界共通の目標として採択されたのが、SDGs(Sustainable Development Goalsの略称)です。日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれ、環境を守りながら、社会や経済の持続可能な発展を目指すという考えです。
デジタル技術は目に見える汚染物質を出さないため、「クリーン」だと思われがちですが、実際には、インターネットは世界のCO2排出量の 約4%を占めています。(これは、航空業界全体の排出量に匹敵しているそうです、、!)
このCO2排出量は、デバイス自体の使用電力だけでなく、インターネット上でのデータの保存や転送などの消費電力が大きく関わっています。
このことから2013年にアメリカのMightybytes社 が提唱したのが、「サステナブル Web デザイン」(Webサイトの消費するエネルギーを減らしつつ、ユーザーの使いやすさの向上を目指す)という考えです。
簡単に言うと、燃費の良い、環境とユーザーに優しいWebサイトを目指す、というものです。
2019年にイギリスのWholegrain Digital社が「サステナブルWebデザインマニフェスト」として、6つの基本原則を挙げています。
再生可能エネルギーを使用する
エネルギーや資源を使用量を最小限にする
アクセシビリティが高く、オープンな情報共有を可能にする
デザインやコンテンツにおいて、ユーザーを誤解させない
人と地球が豊かになる経済を支援する
ユーザーが必要とする時間と場所で機能する
サステナブルWebデザインとこれらの原則を考慮し、私たちが取り組める手法として以下のものが挙げられます。
画像データは、ページ重量の大きな要因で、Web上のデータ転送のほぼ半分を占めています。
適切なサイズや用途に合った画像形式の画像データを使用する、圧縮して使用することが大切です。
フォントもページのデータ量に大きく影響しています。使用するWebフォントの種類を制限し、使用するウェイトのみを読み込むことで、データ量を軽減できます。
JavaScriptはHTMLやCSSよりも多大なデータを取り込めるため、ほとんどのWebサイトはJavaScriptを多く利用しています。
JavaScriptを最適化し、不要なコードを削除することで、Webサイトのデータの軽減やデータ処理の効率化につながります。
デバイスのディスプレイに使用されているLEDの消費電力は、使用する色によって異なります。白や青色は消費電力が大きく、赤や黄色は比較的低いです。用途に合わせて適切な配色を心がけることで、環境に優しいWeb設計ができます。
ユーザーが求めているものに辿り着きやすく、わかりやすいWebデザインは、無駄なデータやユーザーの時間を浪費させない、環境とユーザーに優しいデザインと言えます。
Mightybytes社が提供しているecogragerでは、既存Webサイトをデータ容量、UXデザイン、グリーンホスティングの3項目から診断し、改善点を提案してくれます。
サステナブルWebデザインは、2024年6月に義務化されたウェブアクセシビリティの観点からも、今後更に注目されるのではないでしょうか。
環境やユーザーへの配慮だけでなく、企業の評価向上にもつながる取り組みだと思います。
私もWebデザインと環境とのつながりをより理解し、より良い「持続可能なWeb制作」を行なっていこうと思います!