アトリビューション分析前回は、目標設定など、高度な設定をしなくても確認できる「ユーザーレポート」、「集客レポート」、「行動レポート」の見方をご紹介しました。(「Google アナリティクスをもう少し理解したい」)
正直なところ、「やっぱりWebサイトの成果って見えにくい」と思っていませんか?
Webサイトの分析ができないため、うまく改善できないということもあると思います。
今回は、Webサイトの成果を視覚化するために、Google アナリティクスの「コンバージョン」を利用し、分析しましょうというお話です。コンバージョンの設定方法については、紙面の都合上、割愛します。
コンバージョンとは、「成果」のことです。「ひとつのまとまった成果がでた」時に、コンバージョンに至ったということになります。
コンバージョン指標にもいくつかの種類がありますので、簡潔にご紹介します。
広告やリンクなどからサイトに流入し、そのまま購入などのコンバージョンに至った場合に使われる指標です。
広告をクリックしてから30日以内にWebサイトに訪問し、コンバージョンに至ったユーザーの数です。ユーザー単位のコンバージョンで、30日以内に同一ユーザーが何度もコンバージョンしても、コンバージョン数は1とカウントします。
広告をクリックしなかったユーザーが、別ルートからWebサイトを訪問した後、コンバージョンに至ったユーザーの数です。広告はクリックには至りませんでしたが、ユーザーの記憶に残ったため、効果はあったといえます。
真の目的となるコンバージョンを「最終コンバージョン」と言います。
コンバージョンをおこさなかった「離脱ユーザー」と「最終コンバージョン」の間にあるのが「中間コンバージョン」です。
BtoBや、高額商品やサービスを扱うお店など、Webサイトだけでは販売が完結しないサイトなどは、「中間コンバージョン」を設定することによってデータを得ることができます。
自社サイト内に適切な「中間コンバージョン」を見つけ、「最終コンバージョン」へとつながるような戦略やサイト構築ができているかが重要となります。
業種によって中間・最終のどちらのコンバージョンにもなりえますので、適切に判断します。
資料請求やダウンロード | メルマガ登録 |
会員登録 | サービス紹介動画の視聴 |
リアルタイムチャットの利用 | オンライン即見積もり |
来店クーポン | お試しセット購入 |
カウンセリング予約 | 価格シミュレーション |
個人購入 | 説明会参加 |
定期購入 | 問い合わせ |
来店予約 | 初診予約 |
「Webサイトへの訪問」「広告のクリック」「記事の読了」「滞在時間の増加」などは、これだけではひとつのまとまった成果を促せていないので、コンバージョンとは別のKPIとして管理し、コンバージョンには前述したような「サービスの申込み」、「問い合わせ」など、売上に近い指標を置くと良いでしょう。
アトリビューション分析とは「コンバージョンに至ったアクションだけでなく、コンバージョンに至るまでの全ての接触経路の貢献度を評価する」分析のことです。
従来の「終点(ラストクリック)」だけを見ている場合とは異なる判断が可能になります。
アトリビューションモデルとは、コンバージョン経路上の各接点が、コンバージョンにどの程度貢献しているかを定めるルールのことです。
Google アナリティクスの「アトリビューション モデル比較ツール」は、【どの施策/ページのおかげなのか】【どの施策/ページに起因するのか】を分析する機能です。
コンバージョンに至る最後の接点に、コンバージョンの価値がすべて起因すると見なします。こうした成果直前のクリックは、「ラストクリック」とも呼ばれます。
短期間キャンペーンを実施する場合によく使われるモデルです。アトリビューション分析の考え方が登場する以前は、このモデルが使用されていました。
終点の1つ前のクリックにコンバージョンの価値がすべて起因すると見なします。(ノーリファラーは無視)
Googleアナリティクスのトラフィック系のレポートで使用するデフォルトモデルであるため、他のモデルの結果を評価する際の比較対象モデルとして利用できます。
コンバージョンに至る前、最後にクリックしたAdWords広告にコンバージョンの価値がすべて起因すると見なします。
最も多くのコンバージョン成立に繋がったAdWords広告を特定し、運用に反映するために使用できます。
最初の接点にコンバージョンの価値がすべて起因すると見なします。
プロモーション初期のブランディングや認知を重視する場合に有効です。
コンバージョンに至るまでに発生したすべての接点が、均等にコンバージョンに貢献したものと見なします。アトリビューションモデルの中でも最も使いやすく、オーソドックスな方法です。
販売サイクル全体を通して顧客との接点を維持したい場合に使用します。出現率の高い、有効な経路を発見できます。
コンバージョン達成に最も近い段階で生じた接点が、最もコンバージョンに貢献したものと見なします。短期的なプロモーションの場合などに有効です。
最初と最後の接触メディア・経路に貢献度を多めに割り振るモデルです。
「認知させた接点」と、「実際にコンバージョンを促した接点」の2点を重視する場合に有効です。
難しそうな方は、「起点」、「線形」、「終点」モデルこの3つを組み合わせて比較してみるだけで十分有効な分析が可能です。
①サイドメニューから【コンバージョン > アトリビューション > モデル比較ツール】 をクリックします。
②ドロップダウンメニューから 起点、線形、終点を選択します。
③各モデルで算出されたコンバージョン数が表示され、 比較することができます。
アトリビューション分析で「起点」、「線形」、「終点」それぞれの貢献度を見れば、「終点」だけ見ていた時とは違ったものが見えてきます。
このように、コンバージョンをしっかりと設定し、「目標達成度」を視覚化することができれば、より具体的な改善策を見いだせるようになると思います。
一度試してみてはいかがでしょうか。