皆さんハードディスクと会話ができますか?松園です。この話を言うとたいていドン引きされます。 でもね、このスキルが大切だったんです、つい最近まで。
大事なデータ(僕の場合は殆どが写真のRAWデータです)を保存しているハードディスクが突然動かなくなるなんてことが何度かあって、その度に冷や汗をかくことがありました。
CD-RやDVDに焼いても経年劣化で読み込めなくなることがあります。ハードディスクでもRAIDなんていうバックアップ機能つきのものがありますが、落雷などがおきるとバックアップ用のディスクも吹っ飛ぶので心配。かと言ってサーバにアップロードなんてコストが見合いません。
そこでハードディスクが時折出す「ひゅーん、かっこんかっこん」とか「ごりごりごり」なんていう異音を耳で聞き、感じ取り「ああ、お前(ハードディスク)はもうすぐ寿命なんだね」と新しいハードディスクに換装する技術を磨いてきたのです。人間と話ができない系人間ですが、パソコンは話できます。
しかし、最近になって怖い異音がCドライブから聞こえるようになりました。ご存じの通りCドライブはOSが格納されているドライブで、おいそれと入れ替えができません。今ではソフトやツールができてわりととっつきやすく、すぐに取替えられるようになりましたが、それでも怖いものですよね。
そして、パソコンの復旧業者などに依頼すると最低でも3万前後、ハードディスクの読み取りが出来ない状態で持ち込むとさらに高額の工賃が必要になります。これには頭をかかえました。
そんな時に見つけたのが「SSD換装」という選択肢です。
SSDとは「ソリッドステートドライブ」の略、簡単に言うとUSBメモリのかたまりのようなものです。磁気ディスクが駆動し続けるハードディスクと比べると衝撃による物理障害(壊れる)ことが少なく、また高速で読み書きが可能ということで注目を集めています。以前はかなり割高だったのですが、今は値頃感のあるSSDもたくさん登場しています。
製造メーカーにもよりますが、たいていのメーカーのSSDでは、ハードディスクからの移行を見越して専用のソフトがついています。パソコンとSSDをつなぎ、ソフトを使って今のCドライブの環境をそのまま移しとります(これをクローン化というそうです)1TBのハードディスクから512MBのSSDに換装するのにだいたい2、3時間でした。
注意したいのが、ハードディスクとSSDの容量差です。SSDは64GB、128GB、256GB、512GBがメインで1TBくらいになるとまだまだ高価です。なので予算を考えると、今あるハードディスクよりも容量の小さなSSDに換装する場合が多いと思います。 それでも、ハードディスクの使用領域がSSDの容量より小さければ換装可能です。1TBでも200Gくらいしか使っていなければ512GBのSSDに換装できます。
たまーに換装後に「ドライブが違う!」とパソコンからお叱りのメッセージ(上のような画面です、僕のPCではこれの中国語版が出ました。東京で作ってるって言っても部品は中国製なのか……)が出ますが、メニューから「コンピューターの修復」を選んだり、修復ディスクから起動させるとサックリ機嫌をなおしてくれます。修復ディスクはコントロールパネルからCD-R一枚で制作できるので、換装前に用意することをおすすめします。
そして、SSDにCドライブを移したパソコンは恐ろしく高速です。電源を入れて立ち上がるまでの時間が2/3くらいに感じます。半端なテレビよりサクサクです。重たいデータを動かすことが多い人は重宝すると思いますよ。それに駆動部分が無いので冷却ファンの音しか聞こえないのも魅力です。
最近はドライブに最初からSSDを組み込んだものがたくさん出てきています。パソコンの買い替えや部品の入れ替えの際にはぜひSSDを試してみてください!