明海大学オープンカレッジ 様
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- 千葉県浦安市
2016年、秋。
大阪・緑橋にある湯本電機株式会社様(www.yumoto.jp)からお電話。
「WEBサイトを新しくしたいんです」
実は過去に一度、サイト制作のご提案をしたものの、残念ながら採用に至らなかったお客様でした。
それなのに、もう一度頂けたご提案の機会!
「今度こそお力になれますように…。」
そんな願いを込めてじっくり考えた提案は、無事採用!
他社とも比較され、提案内容・予算面ともにご納得いただき、晴れてご発注となりました。
今回のご要望は、この3つ。
WEBを通じて、より多くの人に湯本電機様の製品・会社の魅力をきちんと伝え、ともに頑張る仲間を集めたい…。
そんな願いを胸に始まった、湯本電機様と私たちアウラの二人三脚によるWEB制作。
2017年5月に公開を迎えるまでの約4ヶ月間の軌跡をご紹介します。
まずは湯本電機様のことを理解するため、約2時間かけて色々なお話をうかがいました。
事業内容のこと、スタッフ様のこと、今後目指される方向性のこと…。
担当者の矢部様、勘才様、野村様、そして弊社ディレクターの山名、横山とで、様々な情報交換をしました。
お聞きした強みを整理。
そこで、当時のサイトにあった「湯本電機を選ぶ11の理由」というコンテンツの見直しに着手したのです。
11個の理由はどれも、確かにその通りだったのですが、もっと読み手に分かりやすく出来ないか…?
伝えたい要素は保ちつつ、できるだけシンプルに打ち出す!
そのために、より強調すべき内容を議論しました。
ヒアリングを進めていくにつれ、もはや良品率が高いだけでは、大きな競合優位性を持たなくなってきていることが判明。
湯本電機様が目指しているのは「高い良品率」ではなく「良品率100%」なので、表記そのものを変えたいというご要望も見えてきました。
そこで私たちがひらめいた作戦は「具体的な行動との紐付け」
単に「100%を目指す!」という気合いだけの発信ではなく、良品率100%を実現するため、具体的に実践されていることを伝えることで、より説得力が出るのではないかと考えたのです。
そこで、議論を重ねた「湯本電機を選ぶ11の理由」に加えて、湯本電機様の特徴、特にリアルに取り組まれていることに重点を置き、さらにヒアリング。
そこでお聞きできた情報はどれも、お客様に喜んでいただくための真摯な取組みだったことに、聞き手の私たちも感動したほどです。
取り組み内容の詳細は、「品質」「納期」「顧客満足」と分類分け。
それぞれのカテゴリーで良品率100%、つまりパーフェクトを実現しようとする証として、また湯本電機様による“本気”の挑戦をご紹介するコンテンツとして構成を進めていきました。
最終的にお客様と絞り出したキャッチフレーズは
パーフェクトへの挑戦「100%を目指す」こと
「品質×納期×顧客満足度」で、クオリティの高い商品をてがけたい。他社にはできない「私たちだからこそできるサービス」を追求したい。
これこそ湯本電機様が、長年大切にされている企業スタンスだったのです。
このキャッチフレーズが生まれたあとも、情報整理のために再訪問。
だいぶ情報が固まってきたところで、コンテンツ提案へ。
そして6回目の訪問を迎える頃、ようやくデザイン着手できる段階へと到達したのです。
コンテンツも固まり、ワイヤーフレームも完成、デザインイメージも固まった、2017年3月上旬。
湯本電機様から一本の電話が入ります。
「ちょっとご相談が…」
お電話を受けて、早速オフィスに伺うと、こうおっしゃったのです。
「ご提案いただいたデザインイメージ、すごくいいと思っています。ただ、何かひっかかるところがあって、それがぬぐい去れずにずっと考えていたんです。
確かにキレイなデザインだけど『どこかで見たことある』感。
それがどうしても気になる。
クオリティの高い商品をてがけたい。私たちだからこそできるサービスを追求したい。
そう考えている私たちだからこそ、 【見たこともない新しいサイト】 を作るべきじゃないかって…。
「すみません、今頃…。」
アウラ制作陣一同にしばしの沈黙が続きます。
正直、動揺が走らなかったと言えば嘘になります(笑。
ただ、よくよく考えた時、湯本電機様がおっしゃる通りだったのです。
「そうですよね。御社らしいサイトにしないと、リニューアルする意味ないですよね」
そこから私たちはまたテーブルを囲み始めます。
「とはいえ、どうすべきか…」
「見たこともない新しいサイトって…?WEBサイトの飽和時代にどうすれば…。」
答えはなかなか見つかりませんでした
数日間、社内で議論を重ね、リサーチを続け、意見を出し合った結果、ようやくひとつの答えが見えてきました。
それが「スプリットスクリーン」というアイデア。
まだあまり普及していない、新しいWEB制作のプログラムです。
我々としても初の試みではありましたが、お客様が挑戦したいと願っていらっしゃるのに、尻込みする理由はありません。
「チャレンジしてみよう」
このアイデアに着地後は、ディレクターもデザイナーもコーダーも、誰に言われるでも無く、各人がそれぞれの立場で出来ることを、自主的に動き出します。
スプリットスクリーンはコーディング含め、モバイルファーストの設計が特徴。試行錯誤を繰り返しました。
「ユーザビリティを考えた時、メニューがこの位置にあるのは分かりやすいのか?」
「スプリットスクリーンを使いこなしてもらえるには、この動線でいいのか?」
ディレクターもデザイナーも、みんなそれぞれの立場で悩みます。
しかし徐々に答えを導き始めたアウラの面々。そこからの動きは、指数関数的に加速していきます。
お客様に理解していただきやすいよう、丁寧な仕様書を作成したコーダー。
ディレクションだけでなく、ファシリテーターとしても機能したディレクター。
みんなが枠に捕われず動いた結果、「見たこともないサイト」は徐々にカタチになってきたのです。
そろそろサイト構築も終盤になってきた頃。
採用ページ内の「スタッフ紹介」の構成で、こんなご要望があがりました。
「『オーシャンズイレブン』みたいにしたいんです!」
ワクワクした表情でお話しされる湯本電機の皆様。
「???」
そのご要望を聞いた時、アウラ制作陣の頭は「?」で一杯でした。
「な、なぜ『オーシャンズイレブン』なんです??」
実はこのアイデア、専務様のご意見とのこと。
確かに最初は驚きました。しかしお話を伺う中で、専務様はきっとこんな風に伝えたいのではないか、と見えてきたのです。
「うちのスタッフはひとりひとり、みんなプロフェッショナルで、個性豊かで、そして、とても面白い会社なんだよ」
そんな素敵な事実が伝わるWEBサイトじゃなきゃ、意味がないんじゃないか。
『オーシャンズイレブン』をカタチにしなきゃ、アウラの存在価値がないんじゃないか…!?
「こうなったら、なんとしてもカタチにするーーーーー!!!」
そこから、私たちアウラスタッフも必死に食らいつきます。
撮影当日までカメラマン含めて、何度も打合せ。
準備に準備を重ねた撮影は、無事終了!
こうして『オーシャンズイレブン』ならぬ、「YUMOTO’S7」は誕生を迎えたのです。
初めての打合せから約4ヶ月後の2017年5月。サイトは晴れて完成の日を迎えます。
しみじみとサイトを覗き込むアウラスタッフ。
お客様も、しみじみと覗き込みます。
「でもこれでやっとスタート、ですよね」
と誰かが呟きました。
そう、サイト完成はゴールではなく、あくまでスタート。
やっとお客様の伝えたいことを実現できる「ステージ」が整っただけなのですから。
「湯本電機様でしか出来ない、顧客満足度100%のお仕事が、これからもっともっと、生まれますように」
そう願ってやまない私たちアウラ制作陣。
サイト完成後には、素敵なお店で慰労会まで開いていただき、本当に、本当に感謝です!
湯本電機様のますますの発展を祈るお酒は、とっても美味しいお酒でした。
専務様をはじめ、サイト制作をご担当された矢部様、勘才様、野村様。
本当にありがとうございました。
著)ディレクター 山名